『すぐ死ぬんだから』感想~人は中身か見た目か?~

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突然ですが、皆さんに質問です。

 

【70を過ぎたとします。いつまでもオシャレに気を抜かず、「若い」と言われるよう努力したいですか?それとも、老いたら「楽ちんなのがいちばん」と思いますか?】

 

 

さぁ、みなさんはこの質問になんと答えたでしょうか。

 

実はこれは内館牧子さんの小説、『すぐ死ぬんだから』のテーマとなっているんです!

 

内館牧子の高齢者3部作

『すぐ死ぬんだから』、実に衝撃的なタイトルです。

 

この作品は、以前このブログでご紹介した『終わった人』『今度生まれたら』と並んで、内館牧子さんの「高齢者3部作」と呼ばれているんですよ。

 

『終わった人』は、定年退職した65歳の男性が主人公。

mabelle.life

 

『今度生まれたら』は、70歳の主婦が主人公。 

mabelle.life

 

そして今日ご紹介する『すぐ死ぬんだから』の主人公も主婦ですが、78歳という3部作中で最も高齢の設定になっています。

 

『すぐ死ぬんだから』のテーマ

テーマはずばり、「人は見かけか、中身か」ということです!

 

少しだけストーリーをご紹介しますね。決定的なネタバレはもちろんなしでいきます。

 

ーーーーーーーーーーーー

主人公のハナは、髪や肌の手入れに余念がなく、ファッションにも毎日気合を入れている。

 

努力の甲斐あって、ハナはとても実年齢には見えず、いつも60代と間違われる。

 

そんなハナのことを、2つ年上の夫は「俺の自慢だ」と臆面もなくのろける。

 

そして、同窓会に出ても男性陣から大人気のハナ。

 

同年代の地味なおばあさんたちは、そんなハナのことが当然のごとく面白くない。

 

「悪目立ち」だの「若作り」だのと悪口を言っている。

 

そしてそういう地味婆たちは最後には必ず「人は中身だ」という。

 

しかしハナは思う。

 

「人は中身よ」と言う女にろくな者はいない。さほどの中身もない女が、これを免罪符にしている。

 

そんなハナだが、実は元からオシャレだったわけではない。

 

68歳のときに、ブティックの店員に70代と間違われたのがきっかけとなり、そのときから絶対に実年齢に見られないよう努力を積み重ねてきたのであった。。。

 

 

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ハナのオシャレはもっととんがった感じで、こういうお上品なファッションではないのですが…ぴったりな絵が見つからず。

 

若い頃に仕事上での苦労はあったものの、家族にも恵まれ幸せに暮らしてきたハナ。

 

唯一の不満といえば、嫁の由美(45歳)のことくらい。

 

由美は器量が悪いうえに常にノーメイク。

 

頭も悪く、取り柄もない。

 

そんな由美は、結婚後カルチャースクールで油絵を始めた。

 

講師にちょっと褒められ、その後公募展で新人奨励賞をもらったことがきっかけとなり、由美はすっかり「画家」気取りだ。

 

絵の具で汚れた「ツナギ」姿の由美は、自営業の夫を手伝うこともせず、自称「アトリエ」でたいしたことのない絵を描いてばかりいる。

 

ハナは由美の貧乏くさい顔を見る度に心底うんざりするのであった。。。

 

人は中身か、見た目か。

ここまでのストーリーを読むと、なんだかハナって性悪婆さんだなって思いませんか?

 

私は正直なところ、思いました。

 

外見をピカピカに磨き上げ、外見に無頓着な同性を見下す。

 

特にハナが嫌いなのは、登山帽にリュックを背負い、量販店のダウン(おそらくユニクロw)を着込んだジジババ😂

 

… 万年リュックの私。自分がそうなりそうだからでしょうか、読んでいて汗がでました(笑)

 

10年前の68歳のときに、ブティックの店員から70代に間違われてからというもの、ハナはプロの手を借りて外見を磨きまくってきました。

 

そんなハナは言います。

 

外見が若くなり、変わると、精神が若くなる。心持ちが変わる。きれいになることの力を、この十年でどれほど感じたか。

 

ハナのいうこともなんとなく分かります。

 

ですが、油絵に夢中で外見に無頓着な嫁の由美を見下すのはどうなのでしょう?

 

たしかに、夫の仕事を手伝わずにお金にもならない趣味にばかり時間を割いているのはどうかと思います。

 

でも、由美にとっての情熱の対象は、ファッションではなく絵なわけです。

 

 

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由美から見れば、「外見ばかり着飾って、中身のない婆さんだ」ということになりはしないのか。

 

… こう思うのは、私が由美に近いタイプだからかもしれません。

 

ノーメイクでPCに向かって論文を書いている時間が一日でいちばん長いのですから😂

 

 

作品中、ハナと由美が思い切りぶつかり合うシーンがあるので、少しご紹介しますね。

 

ーーーーーーーーーーーーー 

ハナはある日、由美に呼ばれ、由美の夫(ハナの長男)が営む酒屋に来てくれと頼まれる。

 

来客があり、以前この酒屋の店頭に立っていたハナにホステスの役を頼もうという魂胆だった。

 

汚いツナギ姿で客につまみを出すと、由美は早々に「アトリエ」に姿を消す。

 

ハナはたまらず「アトリエ」にいる由美に声をかける。

 

ハナ:「由美さん、絵を描いても何をしてもいいけど、最低の常識は守んなよ。汚れたツナギ着て、ノーメイクで客の前に出て、それも途中でいなくなるのは非常識だよ」

 

由美:「大事にしているものが、お義母様と私では違うんですよね」

 

ハナ:「由美さんは画家だからねぇ」

 

由美:「はい。絵を描く時間が何より大切で、何より労力をかけているんです。お義母様は若くきれいでいるための時間が大切で、何より労力をかけているのと同じです」

 

ハナ:「その通りだよ。だけどハッキリ言うけど、アンタがそんな貧乏神みたいな女だと、雪男(ハナの長男)が恥をかくんだよ。(中略)由美さん、知ってる?頑張らない美人より頑張るブスの方が上だって。(中略)一番最低はね、頑張らないブス。わかる?」

 ーーーーーーーーーーーー

 

ハナと由美の会話、怖すぎます!😂

 

みなさんはどう思いますか?

 

私は外見をピカピカにするよりも、心の沸き立つ対象に向かって情熱を傾けるのが好きな由美タイプ。

 

でも、今はまだ良いけれど、いわゆる高齢者と呼ばれる年代になったら話は違ってくるのかも…?

 

 

『すぐ死ぬんだから』については、まだまだご紹介したい点がたくさんありますが、長くなりすぎるのでこのへんにしたいと思います。

 

ハナの毒舌が痛快で、笑いながら読んじゃいました。

 

内館牧子さんの「高齢者3部作」はどれも本当に面白い!

 

 

漫画もあるみたいです♪ 

 

三田佳子さん主演でドラマ化もされたみたいですね。見てみたい!

 

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最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

 

皆さん、良い一日をお過ごしくださいね😊

 

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