プロフェッショナルとは何か~パリでのある出来事から考えた~

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私は大学でフランス語を教えています。

教えているとはいっても、教授ではなく非常勤講師です。

 

フランスといえば、パリですよね。

私も例にもれず、大学2年生のときに初めてパリを旅して以来、すっかりパリの虜になってしまいました。

 

夫と大学生の娘にもパリの魅力を知ってほしいと思い、2019年にロンドンへ行った帰りにパリに立ち寄るプランを立てました。

 

しかし、パリが常に【キラキラした面】だけを見せてくれるとは限りません…

 

 

今日は、パリを訪れた際に経験したちょっとした不愉快な出来事を元に、「プロフェッショナルとは何か」について少し考えてみたいと思います。

 

パリのクレープ屋での出来事

クレープ屋のおばあさん

2019年春、私たちはロンドンに4泊した後、ユーロスターでパリに移動し2泊しました。

 

パリのサンジェルマン地区にホテルを取り、いったん休憩しようと部屋に入った娘と私。

旅の疲れが溜まっており、部屋から出るのが億劫になってしまいました。

 

まだ外にいた夫にその旨をLINEで伝えると「じゃあなにか美味しそうなものを買ってくよ」と言ってくれました。

 

30分後、戻ってきた夫が手にしていたのはホカホカのヌテラ(ヘーゼルナッツ風味のチョコレートペースト)のクレープでした。

 

娘がまず食べてみます。

「何これ?!めちゃくちゃ美味しいんだけど!」

 

私も一口もらって食べてみます。

日本で食べているクレープとはまったくの別物!

もっちもちでふんわりと美味しい!

 

「どこで買ったの?」と夫に尋ねると、

「ホテルを出てすぐ斜め前のお店だよ。(窓を開けて)ここから見えるよ。クレープを焼いているおばあさんの姿を見て、ここは絶対に美味しいってピンと来たんだ

と言います。

 

「どうしてそう思ったの?」とさらに尋ねる私。

「うーん…手際の良さと顔つきかなぁ。いかにも美味しそうなものを作る人っていう顔をしてた」と答える夫。

 

いかにも美味しそうなものを作る人の顔ってどんなだろう?

ニコニコしててあったかそうな雰囲気の人なのかな?

でも、フランス人って基本そんなにニコニコしてないぞ…

 

と色んな思いが頭をよぎった私でしたが、翌日そのおばあさんのお顔を確認してみたいと強く思ったのでした。

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クレープ屋のおやじ

翌日、予定していた観光を終えた娘と私(夫は別行動)はホテルの最寄り駅に戻ってきました。

帰りしな、夫が言っていたクレープ屋さんのことを思い出した私たちは、その「いかにも美味しそうなものを作る人」の顔をもつ例のおばあさんに会いに行くことにしました。

ちょうど小腹も減っていたので、クレープも買っていこうと話していました。

 

しかし、例のクレープ屋を覗いても、おばあさんの姿はありません。

そこにいたのは、<薄暗がりの中で鋭い目をこちらに向ける無愛想なおやじ>と、別の似たようなおやじだけでした。

 

「まったく美味しそうなものを作る人の顔をしていないな…」

 

直感的にそう思った私でしたが、残念なことにそのおやじがオーダーを取りに私たちに話しかけてきてしまったのです。

 

「まぁ、同じお店だし、美味しいのかもしれないな」と観念した私は、昨晩夫が買ってきてくれたヌテラ味のクレープをひとつオーダーしました。

 

おやじは焼き始めました。

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最初のうちはなかなか手際よくこなしていました。

 

が、しばらくすると店内にいたもうひとりの似たような雰囲気のおやじとグダグダおしゃべりを始めたではないですか!

 

クレープという焼き加減が勝負のスイーツベスト3に入りそうなものを作っている最中に、コンロに完全に背を向けてくっちゃべっているのです!

 

隣に立っている娘は私に不安そうな目を向けています。

そして小声で、

「だいじょうぶかなぁ…昨日みたいにちゃんとおいしいかなぁ…」

と呟いています。

 

コンロを見ると、素人目に見ても明らかにキツネ色を通り越し水分を失った生地】が目に飛び込んできました。

あの…ちょっと焼き過ぎではないですか?」と思わず私はおやじに声をかけてしまいました。

 

私たちはパリに2泊しかしません。

そしてパリなんて、そう簡単に行ける場所でもありません。

1回1回の食事がとてつもなく重要なのです!

 

振り返ったおやじは私をギロリと睨むと、

俺はな、慣れてるんだよ!慣れてるんだ!

と不愉快そうに言い放ちました。

 

ドキッとした私は「言わなきゃよかった…」と一瞬思いましたが、クレープを食べた後、「やっぱり言ってよかった」と思い直しました。

 

というのも、そのクレープは明らかに美味しくなかったからです。

焼きすぎて水分を失ったクレープは、昨晩食べたものと同じ名前を付けてはいけないシロモノに思えました。

客側からの不信感をひと言でも告げられてよかったと思いました。

 

しかし、あの自信満々のおやじが変わることは一生ないでしょう。

 

俺様はこの仕事に慣れている。外野が口を挟むな

 

怠慢と奢り

 

人間が最も成長できないパターンです。

 

「いかにも美味しそうなものを作る人」の顔をもつ例のおばあさん会えなかったのが、心底残念でした。

 

おばあさんのヌテラ味のクレープをもう一度食べたかったな…

 

『プロフェッショナル仕事の流儀』

ラーメン店主の竹井さん

さて、少し話が変わります。

NHKの『プロフェッショナル仕事の流儀』に福井でラーメン店を営まれている竹井和之さんという方が出演されていた回を、先日たまたま見ました。

 

竹井さんは福島県でお父様が始めたラーメン店を受け継ぎ、40年以上ラーメンにひたむきな情熱を注いでこられた方です。

休日ともなれば、九州からも客が訪れ、開店前から大行列になる人気店です。

 

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私はラーメンのことは何ひとつわかりませんが、竹井さんのその圧倒的な熱量に感動を覚えました。

 

そして、竹井さんのお顔を初めて見た瞬間、

「あ、美味しそうなものを作る人の顔ってこういう人のことかな」となんとなく思いました。

ただニコニコしているのとも違う。

 

厳しさと優しさの両面が見える。

 

そんなお顔立ちでした。

 

実際とても優しい方で、お客さんの中に80代くらいのおばあちゃんがいるのを見かけると、少し薄味のスープに変更するよう指示を出していました。

 

お客さんの体まで労わるとは…

なかなかできることではないですよね。

 

プロフェッショナルとは何か

私はよく夫と「真のプロフェッショナルとは何か」ということについて語り合ったりします。

ちょっと変わった夫婦です(笑)

たぶん自分の中に「プロフェッショナル」というものに対する憧れが根強く在るからだと思います。

 

パリのクレープ屋のおやじは、自分は慣れているから余計なことは言うな、といいました。

自分はぺちゃくちゃおしゃべりをしながらでも、目をつむっていても、いつも同じクレープが作れる。

なぜなら自分は「慣れている」から。

 

つまり彼にとって、

【慣れていること=プロフェッショナル】

ということなのでしょう。

 

でも竹井さんは違います。

毎日毎日、研鑽を重ね、凄まじいほどの努力をされています。

 

竹井さんにとっては、

【慣れていること≠プロフェッショナル】

であることは間違いないでしょう。

 

皆さん、プロフェッショナルとは何だと思われますか?

 

 

私は、

プロフェッショナルとは「ある分野について、常に改善点を見出し、知識や技術を磨くためにたゆまず努力をし続ける人」のことなのではないかと考えています。

 

 

しかしまだ確たる答えが出たわけではありません。

まだまだ「プロフェッショナルとは何か」を追求する旅は続きそうです。

 

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★本記事に出てきた「ヌテラ」です👇パンに塗って食べると最高に美味しいです♪

 

 

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

 

 

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